子宮がんについて

定期的に検診を受けることが、あなたの健康を守る第一歩です。

女性特有のがん検診(子宮頸がん、子宮体がん)を随時受け付けています。

予約の必要はありません。検診は随時受けていただくことが可能です。

※自治体、企業が実施するがん検診には助成金、福利厚生で実施される場合がありますので、検診前に詳細をご確認の上お越しください。

●子宮がんには、「子宮頸がん」と「子宮体がん」の2種類があります。

2種類の子宮がんは、その原因や発症しやすい年齢・特徴などが全く異なります。子宮の入り口を「子宮頸部」といい、その部分にできるがんを「子宮頸がん」、子宮頸部の奥にあり赤ちゃんが育つ場所を「子宮体部」といい、その部分にできるがんを「子宮体がん」といいます。

子宮頸がん

子宮頸がんは予防と早期発見ができるがんです。

全世代を通して、女性のがん死亡原因の1位は乳がんですが、20~30代の若い女性における死亡原因の1位は子宮頸がんで、この年代の子宮頸がんは年々増えています。子宮頸がんでは初期症状がなく、自覚症状が現れる頃には病状が進行していることが少なくありません。そして結婚や妊娠・出産を迎える年代で子宮頸がんにかかる女性が増加傾向にあり、とても深刻な問題となっています。子宮頸がんは発がん性のHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染によって起こる病気です。HPVは性行為で感染し、性交経験のある女性の約80%が一生のうちに一度は感染するウイルスです。ウイルスに罹患しても自然淘汰される場合がほとんどですが、高リスクのウイルスの一部ががん化し、子宮頸がんを発症します。HPVは子宮頸がんの他に、外陰がん、肛門がん、男性の陰茎がんの原因になり、発がん性でない低リスク型のウイルスは尖圭コンジローマの原因になります。子宮頸がんは検診によって初期の段階で発見されることが多く、万が一子宮頸がんと診断されても初期の段階で発見されれば子宮頸部の異常な組織だけを取り除く手術(円錐切除術)で治療が完了します。子宮温存も可能なため治療後も妊娠が可能です。まずは検診による早期発見が必要です。子宮頸がんの予防と早期発見のためにご自身が出来ることは子宮頸がん検診を毎年受けることです。

子宮頸がん検診とは

[子宮頸がん検診を受ける目安]

20歳以降は最低1年に1回は検診を受けましょう。検診で異常を指摘された方は指導にしたがってください。妊娠中でも受けていただくことは可能です。

[検診の実際]

検診では腟の奥にある子宮頸部の細胞を採取します。少し出血する可能性はありますが、痛みを感じることはありません。検査方法は液状細胞診で精度が高く、HPV検査も同時に行うことができるものが主流です。

子宮頸がん予防ワクチンについて

子宮頸がんを完全に防ぐためには、子宮頸がんワクチンと、定期的に子宮頸がん検診を受けて前がん病変のうちに見つけることが大切です。当院で子宮頸がんワクチンを接種することができます。

  • ※日本産科婦人科学会HPに「HPVワクチンに関する情報提供について」が掲載されています。
  • ※接種を希望される方は事前予約が必要です。受付までお問い合わせください。

子宮体がん

子宮体がんとは

近年、乳がん、子宮体がん、卵巣がんの発生率が高くなっています。子宮体がんの増加は生活スタイルの欧米化、特に食生活が原因とされています。子宮体がんは主に閉経前後の女性に多い病気でしたが、最近では30~40代の増加が目立ちます。卵巣から分泌される女性ホルモン(=エストロゲン)が発症の原因で、症状は不正性器出血が多く、罹患年齢は子宮頸がんより高く、前述したように30代後半から増加します。糖尿病、高血圧、肥満、未産婦(出産経験のない女性)などが発症リスクとして知られています。乳がんとの関連も分かっており、乳がん患者に発症しやすく、逆に子宮体がんの患者は乳がんに罹りやすい傾向があります。乳がんの術後治療に用いられる抗エストロゲン剤「タモキシフェン」の服用によっても子宮体がんのリスクが上昇します。また若年性の子宮体がんにも注意が必要で、若年性の場合は多嚢胞性卵巣(PCO)で長期間無月経である場合に発症することがあります。子宮内膜の肥厚所見のある方、子宮内膜ポリープのある方も検査をお勧めします。

子宮体がん検診とは

[子宮体がん検診を受ける目安]

35歳以下の3〜6か月間の無月経、35歳以降の不正出血、子宮内膜ポリープ、子宮内膜の異常肥厚のある方などです。これまでの体がん検診で異常を指摘された方は、指導された次の検診時期にしたがって検診を受けてください。また子宮体がん検診は全ての女性に行う検査ではありませんが、不正出血、一度でも子宮体がん検査で疑陽性が出ている、乳がん患者、タモキシフェンを内服されている方は、最低でも1年に1回の子宮体がん検診が必要です。

[検診の実際]

検査は子宮内に器具を挿入し、子宮内膜の細胞を採取します。細胞を採取するときにある程度の痛みはあるものの、強い痛みはありません。検査後数日は少量の不正出血が見られることがあります。